2020年4月7日の非常事態宣言を切っ掛けに突如始まったオンライン面接(web面接)時代ですが、面接官のほとんど全員は、長短の差はあれオフライン面接=対面面接の世界を生きてきたビジネスパーソンであり、オフライン面接におけるマナーやスタンダードや常識で、悪く言えば凝り固まっています。
模擬面接で見せる就活生たちの振る舞い。
オンライン面接後の面接官によるフィードバックおよび面接結果から導き出される採否の判断ポイント。
これらの事例を集めるうちに、
オフライン面接の常識でオンライン面接を推進される一番の恐ろしさは「就活生の目配り」問題ではないか
という仮説を得ました。
未だ仮説の域を超えることはありませんが、この目配りというものに判断の重きが置かれている気がしてなりません。
相手の目を見ること=カメラを見ること
オンライン面接において「相手の目を見ること」はカメラを見ることです。
カメラの正面から、しっかりとカメラを見据えること。
これがカメラの向こう側にいる面接官からは、しっかりと相手の目を見て話しているように見えるのです。
しかし、カメラを見て話をすると、今この瞬間に面接官がどのような表情をしているかを見ることが出来ません。
興味があるのか/ないのか
先を促しているのか/話に飽きているのか
そんなことを伺うために表情へ目線を動かすと、カメラを通した面接官には目線を逸らしたと映り、その状態を続けると目を伏せている=自信なげに映ってしまっているかもしれないのです。
つまり、オンライン面接では、オフライン=対面面接の時の常識でありマナーでもある
「相手の目を見て話をする」
ことが実は出来ないのです。
お互いに相手の目を見て話そうとした場合、それをオンライン上で表現しようとするとお互いにカメラを見て話をしていることになり、目を見て話すという行為が本来意味しているはずの相手の表情を見て情報を得ながら話すということが出来ないのです。
そして相手の表情を見て、反応を見て瞬時に話を組み立てていこうとするならば、お互いがカメラから目線を外して画面上の互いの表情を見るという、双方ともに内気な人同士が目を伏せ合いながらシャイに話を進めているように見える光景となるわけです。
オンライン面接のノウハウの蓄積が進み、新たなスタンダードが構築されてく中で、相手の目や表情をしっかりと意識しながら話を進めることは、見た目としては目線を外して僅かに伏せ目がちで画面を見ることだという認識が出来上がることでしょう。
しかし、急に始まり急に育ったオンライン面接への取り組みへオフライン面接時の常識を持ち込んでいる2020年現在、しっかりと相手の目を見て力強く語る姿勢を見せるにはこの方法しかありません。
カメラを真っ直ぐ見て話す
ノートパソコンでもスマホでも、自分を写すカメラのレンズをしっかり見据えて話すこと。
このことにより面接官へ送られる映像としては、まるで相手の目をしっかりと見て話しているかのように映し出されます。
・わずか2~4mm程度の小さな穴に向かって熱心に話す。
これが過渡期のオンライン面接において最も必要かつ効果的なテクニックになっています。
にも関わらず出来ない人がとても多い
このことをあらかじめお伝えしたにも関わらず、出来ていない就活生は本当に出来ていません。
面接官がどう思っているのか心配で、表情を確かめずにいられずカメラから目が外れる
相づちなど面接官の動きに釣られてつい目が行ってしまう
カメラを見ることが相手の目を見ることと同じ効果を得るということを分かったにも関わらず、つい目配りを忘れて「相手の目を見ない人」がとても多いのも事実です。
対面の面接の場合でも、相手の目を見続けるのはお互いに息が詰まりますので、目を見ることと外すことを、見ること:外すことが例えば8:2とか7:3の比率であれば、しっかりと相手を見ながら面接をしている感が生まれます。
しかし、自分の話を聞いて相手がどんな反応をしているかに気を取られすぎて、2:8もしくは1:9、時に0:10の比率で完全に相手の目=カメラを見ない人が存在しています。
自分が話す時は相手の目を見る比率が8で、その他が2
相手が話す時は相手の表情を見るのが8で、その他が2
と言う割合で目配り出来れば、ひとまずいい塩梅になると思われます。
ただしこれはあくまでも過渡期的な対応で、オンライン面接のノウハウが集積されていく中で、必ずしも相手の目を見る=カメラを見る必要は無く、自分が話す場合は相手の表情を見るために画面を見ることが逆にスタンダードになるかもしれません。
しかし21卒の就活の中でそこまで一気に進むとは思えず、オフライン面接からオンライン面接へと移りゆくわずかの期間だけ通用する鬼っ子的ノウハウかもしれませんが、今はまずカメラ目線での対応を薦めたいと感じます。
なお、目線に関してはもう少し続きます。
カンペはバレバレだからご注意を!
画面の中で動くものは目と口元、うなづく際の頭部しかないため、目線の動きは実はとても目立ちます。
そのため例えばパソコンの周囲や、パソコンのデスクトップにカンペ類を貼りつけていると、しばしばそこへ目線が行くので、読んでいるのが相手からは丸わかりです。
バレるのが前提でギャンブル、もしくはバレても構わないのであればそれでもOKですが、もしそうではないならば、カンペには頼らず自力で面接に向かうことを強くお薦めしたいと思います。
そして、最後にもう1点。
不用意な目線の移動を制限するために、就活生と面接官が1:1の面接の場合は、相手の映像が映るウィンドウを、液晶画面のサイズ比で1/6ぐらいの大きさにして、そのウィンドウをカメラの真下に置くことをお薦めしています。
その位置に相手の映像を配すると、カメラと相手画像の間の目線の行き来が、オフライン時における目と口元,ネクタイの結び目間の移動と酷似する関係で、相手から見た場合に非常に自然に映ることをお伝えしておきます。
長くオフライン=対面で面接を重ねてきた人たちが、ある日突然オンライン上で面接を行なうことになり、良くいえば戸惑いを、悪くいえば意味不明なスタンダードを作り出そうとしています。
オフライン時代の常識とオンライン時代の新常識が入り交じるこの21卒の就活を、しなやかに,したたかに乗り越えられるよう心から応援します。就活生ファイっ!