オンライン面接(web面接)のポイントとして
「カメラをしっかり見ることが必須」
と別の記事で説明する一方で、実はカメラを意識すれば意識するほど、わずか2~4mmのカメラの穴に集中すれば集中するほど、顔から表情が抜け落ちて、のっぺりした呆けたような顔つきになっていくことが分かっています。
カメラの穴に表情を吸い込まれているのではないかと思うほど、表情が抜け落ち、生気のない仮面のような表情で面接官に向き合ってしまうのです。
それは特定の個人のみに起きることではなく、どうやらオンライン面接を受ける誰に対しても極めて起きやすいことなんだと気がつくことが出来たのは、2020年3月までの間に大学のキャリアセンターで対面=オフラインで面談した経験を持つ就活生が、4月からのオンライン相談にも多数来訪してくれたからでした。
熱意が伝わらない
別記事に認めたオンライン面接対策を全て施したにも関わらず、受ける印象があまりにもよくない。
ひと言で表現するなら、熱意が伝わってこない。
その理由のひとつが表情が抜け落ちてしまうから。
そしてもうひとつの理由は、いつの間にか抑揚もリズム感もない、ただただ早口で出来の悪い読経のような口調で語りつづけるからでした。
それが1人や2人ではなく、多くの就活生がその落とし穴に落ちているのです。
その旨を伝えるものの、本人たちに全くその意識がない。それがオンライン面接の恐ろしさなのだと考えさせられました。
キャリアセンターの狭いブースの中で対面すると、頭のてっぺんからつま先まで、お互いによく見えています。
足を組み直すほどの大きな動きがなくとも、膝を傾ける角度が変わったり、握る手に力がこもったり、すっと耳が紅くなったり、うっすら涙が浮かび直ぐに引いたり、実に様々な変化が見て取れて、それと同時に体の様々な部位から様々な気を発しています。
アドバイザーとしては、就活生のそのような細かな変化を見極めながら、例えば自己分析に関わる深掘り質問を進めたり引いたり、就活生が戸惑ったり答えが出ない理由がなんなのかを探るヒントを得たりしているのですが、同じその変化から、面接官も様々な情報を得ているのです。
オンライン面接では伝わらないそれらの何かを得るがために、最終面接を先延ばしにしている企業も少なくないと聞いています。
※待合場所まで案内される間の就活生の様子や、面接を待つ間の所作、筆記試験や領収書に文字を書く時の様子や、同じ立場の就活生への気配りなど、本当に様々な情報を得ているのですがそれはまた別の記事で。
話を戻します。
頭のてっぺんからつま先まで見えている環境と違い、オンラインでの面接では体積比にして1/3か1/4ぐらいしか映し出されず、その見えている1/3に関しても画質やデータ量の関係で細かな変化までは追いかけることが出来ません。
その中で抜け落ちる表情と、なくなる抑揚とリズム感を補い、熱意を伝えるにはどうすればいいのか。
表情に関しては意識をして口角を上げ、口を大きく開いて発声し、眉を大きく動かすことを意識しながら表情を作り、時に笑顔を見せることを意識してもらいたいと感じます。
そして話し方に関しては、努めてゆっくり話すこと。
さらには間が空くことを恐れない。
大切な事を話す前に間を置き、これから大切な事を話すことを察知してもらいます。そして大切な事を話した後にも間を置き、話した内容が面接官の心に浸透するよう、もし必要と感じたならメモを取っていただけるように間をおきます。
そして本当に大切なことであれば、エントリーシートの場合とは違い、最後に今一度繰り返して話しても構いません。
その際に「先ほどもお伝えしましたが」のようなひと言を添えれば、話したことを忘れているわけではなく、大切であるからこそ繰り返しているのだということを伝えることができます。
話術とも言えないような小さな小さなテクニックですが、意外にこれが効きます。
最後にもう1点、私がアドバイスとして就活生に伝えていることを書きます。
松岡修造さんになったつもりで
普段の10倍の熱意を込めてオーバーリアクションしたつもりでも、実際はせいぜい2~3倍も出来れば良い方で、さらに見えているのは全体の1/3。
なんとか対面と同じ程度の熱意に過ぎません。
こんなところで引き合いに出されるとか、松岡修造さんにとって迷惑な話でしかないかもしれません。申し訳ありません。
日ごろ私たちがTVなどを通して見る松岡さんの熱い語りや熱い動きを真似て、それでやっと普段通り程度にしか熱意としては伝わらないのだと言うことを肝に銘じ、その上でオンライン面接に参加していただけたならば、必ず良い結果に結びつくと確信しています。
ガンバレ、オンライン時代の就活生っ!