様々なオンライン面談システムを用いてオンラインキャリア相談を受け、模擬オンライン面接を実施してきて分かったことはひとつ。
もっとも大切なことは
しっかり音声を届かせること
しっかり音声を聞き取ること
これ以外にありません。
画像(映像)によって様々な印象を得ることは事実ですし、それが採用選考に影響を与えることも事実です。
しかし、それ以上に大切なのは、音声を介して自分自身の考えや思いをしっかりと伝えることであり、そのための工夫をしっかり施すことなんだということ、でした。
イヤホンマイクはオンライン面接時代のスタンダード
音声が途切れることなくスムーズに聞こえてこないと、話す聞くという会話のリズムが狂わされてストレスが生じるのみならず、質問に対する回答の論旨にまで影響を及ぼし、最終的には評価に影響が及ぶことがあると感じました。
「今ドキのノートパソコンにはカメラとマイクが付いるから、それ使えば充分じゃね?」
と感じる就活生も多いと思います。
確かに21卒生が入学時に購入したであろうノートパソコンには、カメラとマイクが搭載されていることと思います。
しかし、そのカメラにせよマイクにせよ、極めて安価な部品がアリバイ的に搭載されているに過ぎません。
特にマイクの部品に関しては性能が著しく低いものが多く、声が立ち上がる際(発声を始めた瞬間)の音圧の変化を処理出来ず※、頭の1~2秒が飛んでしまい、無音状態になってしまうケースがしばしば見受けられます。
※正確にはハードウエア的な原因もソフトウエア的な原因もありますが、ここでは意図的に混同したままで話を進めます。
面接官役をしている私側から見ていると
「…めまして。…しは○○大学経済学部の□□と申します。…じつはよろしくお願いします」
のように、常に話し始めの頭が欠けた状態で聞こえていることがあります。
ていねいな面接官であれば、就活生にその旨を伝え、聞き取れなかった部分のやり直しを依頼し、さらにはそのようにならないよう簡単なアドバイスを与えてくれるかもしれません。
しかしドライな面接官であればどうでしょうか。
「オフラインからオンラインへという世の中の変化についてこられない学生」
と判断されてしまう可能性はないでしょうか。
ちなみにノートパソコンのマイク、どこに付いているかご存知ですか?
こう質問するといきなりキョロキョロし始めて、明確に答えられない人がほとんどです。
「では仮にマイクがどこにあるか分からない状態で、採点機能付きのカラオケで高得点を獲得することは可能でしょうか?」
と続けて質問した場合、全員がNoと答えます。
もちろん就活の面接はカラオケの採点とは違います。しかし、マイクの位置を知らなくてすむ訳はありません。
同様の質問として、ではスピーカーの位置は知っていますか?というものがあります。
こちらの場合、ご存知の方はマイクよりは多いと感じます。
位置を知らない事が問題の本質であれば知ればいいだけですし、イヤホンマイクの購入とは関係ないよね?という話になります。その通りです。
では「相手から見てどう映っているのか」という就活生が忘れがちな視点からはどう見えるのでしょうか。
実際にオンラインで相談を受けていると、イヤホンマイク類を使わない就活生もたくさんいることに気づきます。
感覚値として半分より僅かに多いぐらい、1/2~3/5ぐらいが使ってないと感じます。
使っていない就活生との面談の際に起きることを列記しますと
頭の1~2秒が飛んで無音になる(前述)
環境音やノートパソコンのファンの音などでスピーカーからの声が聞きづらくなる
もう一度お願いしますが多くなる
環境音なども拾うため本人以外が由来の音が色々と聞こえて来る
同じ室内に人がいる場合は音でバレます。
スピーカーを通した音がマイクに拾われハウリングを起こす
もしくは数秒遅れで自分の声を聞かされるため面接官としては話しづらくなる
ノートパソコンでメモを取っている場合キーの打鍵音がとても耳障り
面接中にノートパソコンでメモするケースは少ないと思いますが
机上に置いたスマホのバイブレーションがノートパソコンに伝わる
意外に大きな音として拾われるケースがあるので要注意
自分自身の意思を正しく伝え、相手(面接官)の話に集中するためにも、イヤホンマイクやヘッドセット,インカムと呼ばれるギア(道具)を用いることが、この短い期間の中でオンライン面接時代のスタンダードになり、そして間もなくマナーのレベルに昇格する可能性もあると感じています。
イヤホンマイクは有線一択
今までスマホなどでお使いだったイヤホンマイクがそのまま使える場合がありますので、まずはご確認いただきたいのですが、もし今から新たにイヤホンマイク類を入手する場合は、Bluetoothなどの無線タイプではなく、ケーブルで繋ぐ有線タイプでお願いします。
各種のシステムやアプリを用いたオンライン面接では、就活生と面接官の間で少なからぬタイムラグが必ず発生しています。通信環境(通信回線の状況)次第ではタイムラグがさらに増し、40年前の海外中継か?というほどのタイムラグになります。
「現場の○○さん?」
「……(手元の資料を確認中)」
「現場の○○さんっ!」
「…… あ、はい。こちら現場の○○です!」
無線タイプのイヤホンマイクは、さらなるタイムラグを発生させるため、タイムラグ+タイムラグとなってしまうためにあまりお薦め出来ません。
そして万が一のバッテリー切れもあります。
家電量販店やネットショッピングで入手可能な、価格にして2,000円~3000円台のもので充分なので、この機に有線タイプのイヤホンマイクをご用意ください。
クオリティを担保する意味において、名前を聞いたことがあるメーカー製であれば安心できるかな、と感じています。
21卒生の就活において、オンライン面接は切っても切れない存在であることに間違いありません。
金銭的には余分な負担となりますが元は取れます。
本番の面接に備えて、余裕をもってご準備いただきますよう強く強く推奨します!