オンラインで相談を受ける際、就活生が意外に無頓着だと感じるのはカメラの位置。
極めて多くの就活生が、ノートパソコンにせよスマホにせよ、机の上に直に置き、その前に座ってキャリア面談を受けています。
「面接の場合は違う環境(場所)から」
という就活生もいますが、ほとんどはそのまま同じ状態で面接を受けています。
では就活生が忘れがちな「相手から見てどう映っているのか」という視点から、つまり面接官からどう見えているのかを検証してみましょう。
ノートパソコンやスマホのサイズにも寄りますが、一般的に、それらに付いているカメラの高さと就活生の目の高さを比較すると、スマホの場合で1/3、ノートパソコンの場合で1/2前後になるかと思います。
いずれの場合にせよ、低い位置のカメラから高い位置にある顔をあおり見る構図になっているのはご理解いただけると思います。
面接と聞くと、悲しいかな日本人の多くは背筋を伸ばし、よい姿勢を取ろうとします。真面目な学生であればあるほど、その姿勢に疑問を持ちません。背筋を伸ばすと、一般的にカメラと目線の高低差はさらに広がる傾向にあります。
そしてその姿勢からカメラを見ます。見ようとします。
この時の様子を、カメラから見た映像を文字で起こしますと次のようになります。
鼻の穴が丸見えな角度から見上げる、ふんぞり返った超上から目線で尊大な輩
それが就活生のみなさんの、オンライン面接のデフォルトの状態なんです。
さらに実際は、画面に映る相手=面接官の顔をよく見ようとするために、首を前方に曲げて液晶画面を覗き込みます。
猫背気味で両肩が窄(すぼ)まり、首が曲がって顔だけが近づき大きく見える不自然な姿勢になり、正直なところあまり見栄えや印象が良いものではありません。
その上、首が不自然に曲がっているために声も通りにくく、もそもそと抑揚なく話す原因を作ってしまっています。
これを防ぐために出来ることはなにか。
カメラを目の高さまで持ち上げる。それ以外にありません。
ノートパソコンやスマホごと持ち上げて、目の高さにカメラの高さを合わせる。
カメラ位置は目の高さに!
口頭で説明するだけでは分かり辛いため、オンラインのキャリア面談の際は、私のノートパソコン周りの環境を使って説明し、理解してもらっています。
私はAmazonからの配送に使われていた段ボール箱を2つをノートパソコンの下に置き、約20cmほど持ち上げることで、ノートパソコンのカメラを目の高さに合わせてセッティングしています。
ノートパソコンのキーボードと液晶はほぼ90度=直角に近い角度。
そして普段パソコンで作業する距離からは少し距離を置いて着席すると、胸部から上が見えて、さらに頭の上にいい塩梅の余白が生まれる=証明写真と同じような見え方になります。
その時の姿勢は、対面の面接や面談で見慣れた、自然な姿勢になっています。
ここから段ボール箱を抜いて、机上に直置きしたパソコンからの映像を見せます。
鼻の穴が丸見えで、あまり他人には見せたくない弛んだ顎の下が見え、さらに姿勢を意識して背筋を伸ばすとウエメセという表現では処理できないレベルの威圧感が漂い出す画像を見て、多くの就活生は半笑いになり、次の瞬間にカメラの高さのセッティングを本気で始めてくれます。
そもそもインスタなどのSNSに画像を貼る場合は、見せ方を吟味し尽くした±1度の角度にこだわる写真を撮っているのに、なんでその後の人生を大きく左右するかもしれないオンライン面接の時には見え方にこだわらないのか、私にはよく分かりません。
アナウンサーやCAなどの職種ほどではなくとも、他の職種であっても応募書類に添付する証明写真にはそれなりに気を配ってきたはず。
良い姿勢を保ち、等身大の自分を真っ直ぐに見せ、自信を持った受け答えが出来るように、是非カメラ位置のセッティングにはこだわりをもっていただきたいと感じます。
ノートPCでも、スマホ利用時でも、カメラの高さを座って背筋を伸ばした時の目の高さに合わせる。
これはもう、オンライン面接を迎え撃つには必須の準備だと考えてください。
蛇足ですが1点。
高さを調整する台座としてお薦めしないのがCDケースです。
約1cm刻みで微調整がきくのでつい使いがちですが、積み上げたCDケースはとても崩れやすく、面接中に崩れたらパニック間違いなし。
ちなみに台が崩れた程度で面接がNGになることはありませんけれども、怖いのはそのことで動揺してしまい、頭が真っ白になってそれ以降の面接がグズグズになってしまうこと。
なによりもこれが一番怖いのです。
ですから、崩れ落ちることがないようなしっかりした台を準備しておくことが、オンライン面接を勝ち抜くひとつの戦術になるのです。
スマホスタンドは必須
ここからはスマホを使ってオンライン面接を受ける就活生へ向けてのご案内になります。
私の実感値としては、ノートパソコンとスマホでは、パソコンで面接に臨む学生が多いと感じます。
僕の実感値としては9:1寄りの8:2。圧倒的です。
スマホを使う場合でも、上記のパソコンでのセッティングと同様に、インカメラを目の高さに合わせるようセッティングしてください。
その際に必須となるのはスマホスタンドの利用です。
イヤホンカメラや電源ケーブルを繋いだスマホは、それ単独では非常に座りが悪く、机周りの小物をあてて角度を調整し、面接の時間中、同じ状態で支え続けるにはかなり無理があります。
市販のスマホスタンドを使い、しっかりと固定する必要があります。
その上で、カメラを目の高さに合わせるよう調整してください。